総長、私のリボンほどいて。🎀


 部屋に戻るとベットに座り、隣に置いてある飾紐(りぼん)高校のパンフレットを手に取って見つめる。

「制服可愛いな…」

「ありす」
 開いた扉から学ラン姿の氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが声をかけ、中に入ってきた。
 私は座ったままサッとパンフレットを背中に隠す。

氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、帰ってたの?」

飾紐(りぼん)高校に行きてぇのか?」

 私の顔がサァーッと真っ青になる。

 見られてた…。

 私は首を横に振る。
「違う、たまたま見てただけで…」
「私、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんと同じ 書庫蘭(しょこら)高校行くから」

「行かなくていい」

 私は驚く。
「え?」

「お前は飾紐(りぼん)高校に行け」

「え、え? なんで?」
「なんでそんなこと言うの? 私はっ…」

「ありすは俺より頭がいい。無理して合わせなくていい」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはそう言って背を向ける。