部屋に戻るとベットに座り、隣に置いてある飾紐高校のパンフレットを手に取って見つめる。
「制服可愛いな…」
「ありす」
開いた扉から学ラン姿の氷雅お兄ちゃんが声をかけ、中に入ってきた。
私は座ったままサッとパンフレットを背中に隠す。
「氷雅お兄ちゃん、帰ってたの?」
「飾紐高校に行きてぇのか?」
私の顔がサァーッと真っ青になる。
見られてた…。
私は首を横に振る。
「違う、たまたま見てただけで…」
「私、氷雅お兄ちゃんと同じ 書庫蘭高校行くから」
「行かなくていい」
私は驚く。
「え?」
「お前は飾紐高校に行け」
「え、え? なんで?」
「なんでそんなこと言うの? 私はっ…」
「ありすは俺より頭がいい。無理して合わせなくていい」
氷雅お兄ちゃんはそう言って背を向ける。



