“…ほどいて欲しかったの、俺じゃなかったんだな”
月沢くんの言葉を思い出す。
見えないのに、鞄の中のアイスキャンディーがタオルの中で溶けていく感じがした。
私の両目から光が消える。
月沢くんのところへはもう、戻れない。
それに、ここで拒んだら黒雪を選んだことが嘘になる。
下手をしたら殺されるかもしれない。
氷雅お兄ちゃんは黒いゆるTシャツの裾のリボンに触れる。
それだけで体がびくついた。
氷雅お兄ちゃんの両目に前髪がかかる。
「……ありす」
「嫌なら全力で拒否れ」
こんなこと、言わせるなんて。
私、ほんとにひどくて、悪い偽者の妹だ。
「…ありす?」
私は涙を零しながら満面の笑みを浮かべた。



