総長、私のリボンほどいて。🎀


 “…ほどいて欲しかったの、俺じゃなかったんだな”

 月沢(つきさわ)くんの言葉を思い出す。

 見えないのに、鞄の中のアイスキャンディーがタオルの中で溶けていく感じがした。

 私の両目から光が消える。

 月沢(つきさわ)くんのところへはもう、戻れない。

 それに、ここで拒んだら黒雪(くろゆき)を選んだことが嘘になる。
 下手をしたら殺されるかもしれない。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは黒いゆるTシャツの裾のリボンに触れる。
 それだけで体がびくついた。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの両目に前髪がかかる。

「……ありす」
「嫌なら全力で拒否れ」

 こんなこと、言わせるなんて。
 私、ほんとにひどくて、悪い偽者の妹だ。

「…ありす?」

 私は涙を零しながら満面の笑みを浮かべた。