総長、私のリボンほどいて。🎀


「…バイトの時間だから行くわ」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはそう言って私の頭をぽんっと叩く。

「味噌雑炊、キッチンの鍋の中に入ってるから好きなだけ食えよ」

「あ、うん」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはベッドから立ち上がると部屋から出て行った。
 ぱたん、と扉が閉まる。

 私はおぼんの上に味噌雑炊を置いてアイスコーヒーを一口飲むと、自分の髪に触れる。

 顔が熱い。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、男の目、してた……。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはもう、“お兄ちゃん”じゃないんだ。

 それに……。

 “私は黒雪(くろゆき)を選びます”

 黒坂翼輝(くろさかつばき)にそう言ってしまった事を思い返し、私はベットに横たわる。

 月沢(つきさわ)くんと、ちゃんとお別れしなきゃ。