「なんで…来たの?」
「偽りの氷雅お兄ちゃんなんて大嫌い…って言ったでしょ…?」
「大嫌いでも構わねぇよ」
「ありす、帰るぞ」
氷雅お兄ちゃんはそう言って、きゅっきゅとリボンをほどく。
拒否ったのに、
いつもぶっきら棒なのに、
なんで… そんな優しくほどくの?
氷雅お兄ちゃんが抱き起こすと私はぎゅっとグレーの長袖Tシャツを掴む。
「ありす?」
「はぁっ、はぁっ…」
まずい、上手く息が出来ない。
苦しい。
大嫌いって言ったくせに氷雅お兄ちゃんに頼るだなんてだめ。
だめ、なのに。
氷雅お兄ちゃんは私を抱き締めて頭を撫でる。
「ありす、ゆっくり息吸って吐け」
「大丈夫だ。俺がついてるからな」
氷雅お兄ちゃん……。



