『氷雅、お前は高2になる前に両親が出て行ったからバイトも出来たが俺はバイトさえ出来ない』
『そして親戚も知人もいない、他人の大人達に頼ることさえも不器用で出来なかった』
『仕送りも段々と減っていき、中1の夏、ジュースを家の近くの自動販売機で買って帰って来たら床に林檎が転がっていて、雪が倒れていた』
『そしてそのまま雪は熱中症で死んだ』
そんな……。
『雪は大人に殺されたと言っても過言ではない』
『俺はふたりで生きられなかった』
『だが、ひとりでさえも生きられなかった』
『そんな俺が辿り着いたのは暴走族の世界だった』
『族の奴らが道端に倒れていた俺を助け、俺の世話をしてくれた』
『そして冬、俺は独り立ちし、黒雪の初代総長になった』
『孤人はどんどん増え、氷雅、お前へと行き着いた』
氷雅お兄ちゃんの目が揺れ動く。
『俺はひとりでもふたりでも生きられなかった』
『だがお前は違う』



