“なんの為に勉強してるの?” “なんで受験するの?” “氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの為?” 分かんないって、ずっと逃げてたけど本当は分かってた。 そうだよ、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの為。 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの“本物の妹”としている為。 だから氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが望むことは全部してきた。 ウィッグの約束も嘘を付いてでも守ろうとした。 だけど、 ――――お願い。 ――――誰か、 ――――心に絡まったリボンほどいて。 そんなの嘘だ。