総長、私のリボンほどいて。🎀


「あの時、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんとゲーセン行かなかったら暴走族に襲われることもなかった」
氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが黒雪(くろゆき)の総長にならずに済んだ」
月沢(つきさわ)くんと敵対することもなかった」

 だめ、気持ちが止められない。

「ううん、それだけじゃない」
「お母さんとお父さんが出て行くこともなかった」
氷雅(ひょうが)お兄ちゃんがカラオケ店でバイトすることもなかった」
「私さえいなければ氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは幸せだったのに!!!!!」
 私は感情を爆発させながら泣き叫ぶ。

「ありす!」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは私をぎゅっと抱き締める。

「ふざけんな! ふさげんなよ!!」
「お前がいて幸せじゃねぇって思った日は一日もねぇよ」
「俺はお前さえいればいい」
「お前が傍にいるだけで幸せだ」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん……。

「うわああああぁぁぁぁ……」
 私が号泣すると氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは抱き締めたまま私のウィッグを優しく撫でてくれた。