総長、私のリボンほどいて。🎀


 ――――グィッ。
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが私の腕を掴んで引っ張った。

 私が中に入ると、ぱたんと扉を閉める。

「あの、氷雅(ひょうが)お兄ちゃ…」

「もう帰って来ないんじゃねぇかって思った」
「良かった」

 私の両瞼に光が(にじ)む。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃん……。

「…帰らないつもりだった」
「でも、帰ってきちゃった…」
「全部思い出したから」

「…黒坂翼輝(くろさかつばき)

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは目を見張る。
「お前、あの時、意識失ってたんじゃねぇのか?」

「…意識はあった。だから全部思い出せたの」
氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが黒雪(くろゆき)の総長になったの、私のせいだってこと」

「お前のせいじゃねぇ。俺が勝手に決めたことだ」

 私は首を横に振る。
「ううん、私のせいだよ。だって総長になった理由、私を守る為だもん」