「氷雅お兄ちゃん、やめて!」
私が止めると氷雅お兄ちゃんは、バッ! と右手を離す。
「…文句があるならいつでも隣に来い。相手してやるよ」
「は? 隣?」
氷雅お兄ちゃんが聞き返す。
「…あぁ。写メ見せてもらって部屋が隣だって気づいた時、俺も信じられなかったわ」
「…だけど本当に隣だったんだな」
「高校でありすがてめぇに誑かされたと思っていたが」
「まさか部屋まで隣…クソがぁっ!」
「ありすをここまで送り届けてくれたことだけは感謝してやる」
「とっとと失せろ。2度とありすには近づくな!!」
氷雅お兄ちゃんは声を荒げながら叫ぶ。
「…誰が近づくかよ、こんな女。こっちから願い下げだわ」
「…じゃあな、ありす」
月沢くんはそう言うと隣の部屋まで歩いて行く。
月沢くん……嘘だって分かってても胸が痛いよ。



