総長、私のリボンほどいて。🎀


「…行けそう?」

 私はコクンッと頷く。

 月沢(つきさわ)くんは、はー、と息を吐き、私を持ち上げ、リアシートに(またが)らせた。
 そして後ろから首筋に甘いキスを落とす。

「ぁっ…」

 ヤバい、声が…恥ずかしい。
 キス禁止って言ったくせに月沢(つきさわ)くんからするなんてずるいよ……。
 心臓壊れそう。

「…じゃあ、送ってくわ」
 月沢(つきさわ)くんはかっこよくシートに跨るとキーを(ひね)る。

 甲高い爆音が響き、驚く。
 腰に伝わる振動に排気の香り…バイクに乗ってるんだな、と実感する。

「…俺に掴まれ」

 私が、ぎゅっと月沢 (つきさわ)くんの背中から前に両手を回すとバイクが走り出した。

 夜空にたくさんの星と月がキラキラと輝く。

 吹き過ぎる夏風が優しくて気持ちいい。

 あぁ、いっそのこと、このまま時間が止まればいいのに。
 そしたら氷雅(ひょうが)お兄ちゃんに、これ以上嘘を重ねなくて済むのに――――。