総長、私のリボンほどいて。🎀


 とっさにウィッグを取られないよう、両手で触れると、
 月沢(つきさわ)くんは、その手を退()ける。

「あ…………」

 月沢(つきさわ)くんにはもう金髪のことバレてて、
 一度だけ氷雅(ひょうが)お兄ちゃんとの約束破ってる。
 それでも――――。

「まだ、だめ…取らないで…」

 月沢(つきさわ)くんは、ぽんっと頭を優しく叩く。

「…そんな必死に守んなくても」
「…あいつとの約束大事なの分かってるし」
「…取らねぇから」
「…まだ」

「まだ?」

「…完全に破る覚悟が出来たら言って」
「…そん時、取ってやる」

「うん…」
 短く答えると、月沢(つきさわ)くんは熱が引き、息が正常に戻るまで私の背中を優しく撫でてくれた。