「あ……」 月沢(つきさわ)くんは右腕を引っ張り、 立った両膝の間に私を入れてぎゅっと抱き締める。 「月沢(つきさわ)く…」 あ、唇が近づいてきて……。 ……え、止まった? 「…いいよ、して?」 「え」 「…触れたいんだろ?」 ふわっ……。 私は月沢(つきさわ)くんのネクタイに両手で触れた。 あとは唇に触れるだけ。 だけど――――。 「…まだ出来ません」