総長、私のリボンほどいて。🎀



「…甘っ」
 放課後。私は高い手擦りの前で空を見ながらハルピスを一口飲んだ。

 ハルピス飲んだら少し気持ち、落ち着いたかも。
 これで扉、見れる。

 私は右肩にかけた鞄の脇ポケットにハルピスを入れて振り返ると、
 扉を見ながら祈った。

 月沢(つきさわ)くん、来て。
 お願い。

 ガチャッ。
 屋上の扉が開く。

 月沢 (つきさわ)くんが入ってきた。

 月沢 (つきさわ)くんは鞄を右肩にかけ、黒のウィッグを被り、制服(白の半袖シャツにチェックの薄い灰色とブルーのスボン)を着ている。

「…凜空(りく)から聞いた」
「…何?」

「昼休みは逃げちゃってごめんなさい」
「その、恥ずかしくて…」

「だけど音楽室から教室に戻る途中で偶然、女の子の告白聞いちゃって」
「女の子が月沢(つきさわ)くんのネクタイに触れたの見て思いました」

 私はぎゅっと鞄の肩紐を強く握る。
「私が触れたい。いっぱい触れられたいって」