「…分かんないや」 大粒の光がノートに零(こぼ)れ落ちていく。 私は両手で顔を覆う。 お願い。 誰か、 心に絡まったリボンほどいて。 「…気分転換に外の風でも吸おうかな」 私はガタッと椅子から立ち上がる。 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが起きてるから家からは出られない。 私は水色にゴールドの星柄がついたカーテンの前に立つ。 でも一つだけ外に出る方法がある。 それは…。 シャッ! カーテンを開けリボンで留めると、 ガチャ、と鍵を外す。 “ベランダに出ること” ガラッ。 私は扉を開けて飛び出した――――。