総長、私のリボンほどいて。🎀



「…やっぱ、来ねぇわな」
 その日の深夜。怜王(れお)はベランダで呟いていた。

「…ん? 電話?」
「…非通知?」
 怜王(れお)は右耳にスマホを当てる。

「…もしもし?」

怜王(れお)
 穏やかな声で名前を呼ばれた。

「…総長!」

「ははっ、俺はもう総長じゃないよ」

「…………」
「…(のぞむ)先輩、怪我大丈夫ですか?」

「あぁ、歩けるようになったよ」
「でもまだ少年院上がりの保護観察中だから」
「キャップで顔隠してるけどね」

「…………」

怜王(れお)は高校通い始めたようだね」

「…白い鳥、見たんすね」

「あぁ、怜王(れお)のことがたくさん呟かれていたよ」
「かっこいい! イケメン!! とか」

「…………」

怜王(れお)、暴走族黒雪(くろゆき)にも、もう嗅ぎ付けられているかもしれない」
「気をつけるんだよ」
「分かっているよね?」

「…はい」
 怜王(れお)の両目から光が消える。