総長、私のリボンほどいて。🎀


 月沢 (つきさわ)くんは私を離すと頭をぽんと優しく叩く。
「…疲れただろ」
「…座りながら話そう」

 私達は扉の横の壁に背中をつけて座る。

 走って来て、
 しかも月沢 (つきさわ)くんに抱き締められたから余計に体が熱いな…。
 でもここ、ちょうど日陰になってて涼しい。

「…あの、わざとって?」

「…俺、不登校で有名だろ?」

「…だから俺のことよく思ってない連中がたくさんいて」
「…表立って仲良くすると星野(ほしの)が何らかの嫌がらせを受けることになる」
「…それが嫌で冷たくした」

「…でも話しかけた時点でアウトだったわ」
 月沢(つきさわ)くんは自分の前髪に手の平を当てた。

「…これからはふたりきりの時だけ優しくするから」

「…あの、月沢(つきさわ)くん」
「私達の関係ってなんですか?」

 やばい。

 私は両手で自分の口を覆う。

 自分から聞いておいて恥ずかしくなってきた。
 やっぱり、“お友達”かな?