まず、あたしは望月凪沙、15歳。多分ここの主人公。

 日本人だけどアメリカに住んでるの。

 小さい頃から体が弱くて、喘息なんです。
 小学生の時、脳の病気になって、何度も入退院を繰り返してたか弱い女の子。
 小学生の時の主治医の柊先生っていうアメリカの病院で研修に来てた日本の先生がいるの。
 すっごい怖いんだけど、根は優しいから嫌いじゃない。
 先生とは、今でも連絡とってるからしばらくの間は柊先生のとこに泊めてもらうつもり。
 住所もわかるしね♪


 さっき言い争いになったあの人はあたしの父親。
 でも、パパとかお父さんなんて呼びたくないから、あんたって呼んでる。
 あの人は世界でも有名な、MOCHIDUKIていう会社の社長。


 そう、私はお嬢様ってこと。
 好きなものはなんでも買えるし、不自由なことはほとんどない。

 他の家と違うことって言うと母親がいないことかな。
 小学生になる前、病気で死んだの。
 でも母親の記憶って全然ない。

 その代わりといっちゃあれだけど、お世話係的な人がいるの。
 勉強のことから、一般常識、女の子の事情のことまでぜーーんぶ教えてもらった。


 榊原新(さかきばら あらた) 27歳


 それが彼の名前。
 普段は優しいというかなんというかそんな感じだけど、怒るとき特に薬とか飲まなかったり
 病院とかサボったりするとホント鬼。
 あたしが小学生の時からお世話してくれてる。8年ぐらいの付き合いかな。
 こんなわがままなあたしのことを8年もお世話するっていうすごいやつなの。
 あたしは、新(しん)って呼んでる。
 彼は頭も良くて、運動もできておまけにイケメン。アメリカの難関大学を飛び級で卒業した
 そうで。だからお勉強指導はとってもスパルタ。
 お陰で、私も頭はいいと思う。


 そんな彼が先週からどっか出張的なことしてて家にいないの!
 こんなグッドチャンス逃すわけにはいかない。


 あの世話焼きな新ともお別れだな。
 少し寂しい😞