「何で何も言わなかった‼︎」

 ダイニングルームでいきなり言われた。


「何が?」

 わかってたけど聞き返してしまった。


「オーケストラのことだ。スクールのことも。」



「ああ、そのこと。言う必要あるかなって」
 

 
「今、何が起きているのかわかっているのか?」


「わかってるのかって、あたし、なんも悪くないんだけど。
 むしろ被害者。」
 
「被害者って、💢
 それがお前の言うことか?」

「もしかして何も知らないの?
 全部向こうのことばっかり鵜呑みにして、こっちのことは知ろうともしないで。
 なんで、みんなあたしが悪いって決めつけるかな。」
 
 父親の顔が険しくなった。

 
「言い訳はいらん。
 こんなことして、望月の人間として恥ずかしくないのか🗯」


「望月、望月って、あんたって自分の会社ことしか考えてないわけ。
 だから、波くんだって出ていったんだよ。
 だからみんなあんたみたいになりたくないからお兄ちゃんだって、海斗くんだっ
 て、わざわざ医者とか、違う道に進んだんだよ。
 わかんないわけ?」
 
 この人と話してもイライラするだけだ。

「凪沙、きちんと人の話を聞きなさい。」
 
「はあ、あんたと話たって時間の無駄だってことがよーーくわかった。
 もういい、」
 
 私は部屋に戻ろうとした。

  “パっっチーーーん“
 
 気づいたら頬を叩かれてた。
 

「何すんの💢」


「凪沙、目を覚ましなさい!」


 
「ああ、もうこんな生活やだ。」
  






「まじでありえないんだけど。もう、こんな家出てってやる」
 

 と今に至ります。