これは―
あたしが小学校6年の時の会話が始まりだった。



「おい、デカ女」

コイツ、柴田愁一。

「んだよ、チビ」

あたし、市川梓紗。

「邪魔なんだよ。どけ」

「あーらっ、ごめんなさぁい。小さすぎて見えなかったわーあッ」

「はァ!?」


いっつも、こんな会話のあたし達。

5、6年と同じクラスになってから、こんな会話ばっかだった。

シュウは身長137㌢。

学年で、1番チビ。

あたしは身長169.7㌢。


…因みに学校一背が高い。


「お前見るの、首痛ェんだよな」

シュウが苛立ちながら言った。

「じゃあ、あたしを抜いてみろよ」

抜けるもんなら、ね。

「あー、いいよ!㊥3までにはお前より背ェ高くなってやるよ!」

「どーぞっ。見物だわあ」





こうして、あたし達の物語は始まった。