たとえ9回生まれ変わっても





暗い夜道の中、静かに雪が降っている。

一本だけある道だけが月明かりに照らされるようにぼうっと白く浮かんでいる。

その道をシオが歩いていく。

「シオ」

わたしはシオに向かって呼びかける。

だけどシオは振り向かずに、どんどん遠ざかってしまう。

「シオ、待って!」

どれだけ走っても、いっこうに距離は縮まらない。
手を伸ばしても届かない。

どんどん、どんどん、遠ざかって、シオは暗闇に吸い込まれるように、姿を消した。