確かに、涼ちゃんは私の学力のなさに絶句していた。

見せたくもない赤点のテストが部屋の隅で見つかり、涼ちゃんは目を点にしてぽかんとしていた。

恐らく涼ちゃんが想像した、「学力ゼロ」の範疇を、はるかに超えていたのだろう。

「迷惑じゃない?」と私が聞いたその意味を、涼ちゃんはきっとこの時初めて理解し、「一緒に勉強、する?」なんて自ら誘ってしまったことを大層後悔しただろう。

まったく、赤点のテストなんて、そんなもの、早く処分してしまえばよかったのに。

間違った問題を解き直して次に活かそなんて気持ち、さらさらないくせにとっておくんだから。

そしてそういう見られたくないものに限って、見つけられてしまうんだから。

その時点で、たぶん私の体温は上がっていたのだ。

恥ずかしさで顔が真っ赤になり、「慣れない」勉強をして頭がパンクし、涼ちゃんとの距離に戸惑って体も頭も上気し、結果、オーバーヒートしたのだ。