「いいわよ」


__いいんですかー―――――?


お母さんは涼ちゃんが夏休みの間家にいることをあっさり快諾した。

お父さんとしては、出張で不在がちな身ゆえ、男手が増えて助かるということだった。

父よ、この人に任せていいのか。

こんな見ず知らずの、いやテレビでは何度も見ているんだけど、ほぼ初対面のような他人に女房と娘を預けても。


「なんだか、初対面とは思えないんだよね」


__それは気のせいだ。絶対に。


私は日々家の中に増えていく涼ちゃんの雑誌の切り抜き写真をじろりと睨んだ。