恥ずかしすぎる。
乗り過ごしたならまだしも、一つ早かったなんて、とんでもなく間抜けすぎる。
しかもあんな必要以上のパニック姿を見せるなんて。
一体どう思われているだろう。
＿＿ほんと私ってもう、とほほ。
恥ずかしさに目も上げられない。
「次の電車、待つ？」
隣から涼ちゃんの声が聞こえた。
「えっと、ここから歩いて帰れない距離でもないから。
てか、ごめんなさい、羽瀬君まで巻き込んで」
「別にいいよ」
それだけ言って涼ちゃんは駅の長いホームを歩いていく。
少し遠のいたその背中に、「あの……」と声をかけると、涼ちゃんは立ち止まってこちらを振り返った。
「あの、今日は本当に、ごめんなさい」
そこまで言って、深く頭を下げた。
涼ちゃんが今日、そうしていたように。
これ以上何かを言っても、ただの言い訳にしかならない。
ここは、誠心誠意、何を言われても謝るのが正解だろう。
「明日から来なくていい」、そう言われてもかまわない。
というか、しょうがない。
いろんな覚悟をもって頭を下げたまま目をぐっと閉じた。
