私はずっと何もできない女の子だった。 学力ゼロ。 体力ゼロ。 女子力ゼロ。 自己管理能力ゼロ。 そんな私に、「才能」なんて言葉、無縁だと思っていた。 それは今でも変わらない。 そんなの、信じられない。 ただの偶然。 周りの人が、すごいだけ。 私に才能なんて、何もない。 たぶん楓君にとっては、慰めの言葉だったんだ。 励ましの言葉だったんだ。 涼ちゃんのことで落ち込んでいる私を励ますために、わざわざ来てくれたんだ。 そう思うと、余計落ち込んだ。