唯くん、大丈夫?

「はぁー…」


無意識に大きなため息が出て、私はもう一度腕に顔を埋めた。



「優花…」



また美琴の申し訳なさそうな声が降ってくる。


分かってる。美琴のせいじゃない。自分のせい。

全部アホでバカな私のせい。




「もう、だめかも。」


「え?」


「他の男探せばって唯くんに言われた」


「えっ!?それ、ほんと?」


「私、思い切り引っ叩いちゃった…唯くん、絶対怒ってる。」


「…」


美琴が黙るので少し顔を上げてうかがい見る。


「でも、今朝の唯ちょっと機嫌良さそうだったよ」


「…え?」


「だから仲直りしたんだとばかり…」











どゆこと?


昨日あんなことがあって機嫌が良いって、どゆこと?








ふいにいつぞやの紫藤ユリアの言葉を思い出した。







『いつでも乗り換え待ってます。唯、先、輩。』














「……乗り、換え?」


思わず口からこぼれた言葉に、美琴が首を傾げる。