唯くんのお腹に、すらっと長くしなやかな手がくっついている。





「…」





そのまま唯くんの腰回りに巻きついている腕を目で辿り、背中側を覗き込んだ。












「あ。…さっきぶりですね、アホ村先輩。」



記憶に新しい、妖艶な微笑み。



「し、紫藤ユリア!」



唯くんが眉間に皺を寄せてため息をついた。




「な…っ、え?なにして、なにしてるの…?」




バツが悪そうに視線を逸らす唯くんと、
嬉しそうに抱きつく紫藤ユリアを交互に見て必死に何が起こってるのか理解しようとする。