「…唯先輩。」


その子がもう一度膝をついて唯くんに近づくと、今度はしっかりその子の両肩を押してガードする唯くん。

それにも全く屈しない美痴女が唯くんに色目を向けて言う。


「あんなあほっぽい人に唯先輩の彼女は務まらなくないですか?私にしましょ。ね?」



あまりにも失礼なその美痴女にとうとう私も声をあげた。


「ちょっとちょっと!さっきからひどすぎない!?確かにあほっぽいかもしれないけど……っ、そうかもしれないけど!!…えーと、」



困ったことに肯定文しか出てこない!



「ぬぅ…!唯くん!何とか言って!」


ほんとに全然出てこなくて唯くんにふる。




「…優花はあほだけど、俺が選んだ彼女だから。あほだけど。」



唯くんがえらく真剣な表情で言った。




「唯くん…」




嬉しい…

一言、二言多いけど嬉しいよ…