唯くん、大丈夫?

「今日は夏用の撮影だからもう少し明るい表情が見たいな!最近あった面白いこと、思い出してみて!」




「…」




面白いこと…








『わぁしの今の家は、こぉーっち!おまんじゅう!』






春寝駅から下り電車に乗ろうとした時、俺のシャツをグイグイ引っ張った優花を思い出す。






『だぁーかぁーらぁー!おまーんじゅ!それも、ひらしのおまんじゅう!あはは!……スヤァ…(寝』













「ぶっ」








上り電車に乗って座った途端、こてん、と気持ちよさそうに寝てしまった優花を思い出して、思わず吹き出す。









「おっ、珍しいなユイ。そんな面白かったのかい?」





カメラマンがバシャバシャとシャッターを切る。





「……クッ」





笑いで肩が震える。





「いいぞユイ、もっと思い切り笑え!」



「……ハハッ」






シャッターが切られ、閃光が走る中を俺は恥ずかしげもなく口を開けて笑う。








東万住(ヒガシマンジュ)をおまんじゅうって。



理解するのに時間かかったわ。



危うく深読みして饅頭が有名な浅藁駅に連れてくとこだった。