『♪♪♪…』
スマホを耳に当てながら、呆然とみね君の腕時計の針が動くのを眺める。
『♪……っ、はいはーい!寝てた?夜遅くごめんなー、明日スーツ着てくのに腕時計見当たんなくてさー』
「…」
『…ん?あれ、もしもーし。』
「…もしも…し…、」
私、みね君の明るい声に、すごくホッとしてる。
それは冬の朝に飲むスープみたいに、
じんわりと暖かいものが胸に浸透していって
さっきのとはまた違う涙が、ボロボロと溢れ出ていく
『……優花?』
「…っ、」
『どうした?』
「……ふ……ッ、み…ねく……」
わたし、今、
「みね君に……、
会いた、い……っ。」
『………今どこ?』
「……家」
『すぐ行く』
みね君はそう言ってすぐ、プツッと電話を切った。



