『ヴヴ…ヴヴ…』
私のスマホは、ハイテーブルの上でまだ振動している。
「………え、」
「…」
『ヴヴ…ヴ…。』
少ししてスマホの振動が止まっても、
無表情の唯くんは私の顔の横に手をついて、静かに見下ろしてる。
あれ…?
今、何が起きてる?
「え、…はは、唯くん…?」
「…」
前髪の隙間から覗く三白眼は相変わらずすごく綺麗で
夜の海みたいな深い色をしていて
少し怖くなる
「唯くん、どうし…」
「しようか」
それは声というより息と言ったほうがいいような、ささやかな声で
でもハッキリと、私の耳に届いた
「…え?」
唯くんがそこにあった電気のリモコンに手を伸ばして、部屋を暗くした。
部屋がぼんやりとした暗闇に包まれて、
カーテンの隙間から漏れる街灯が照らす天井だけが、唯一の灯りになる。



