「…唯くん、お酒強いの？」


「まぁまぁ」


唯くんは無表情で答える。


「そうなんだ…？」


「生でーす！」


すぐにやってきた生ビールを唯くんはまた口に運んで、ゴッ、ゴッ、と喉を鳴らして飲み干していく。




わたしはその様子に釘付けになってしまって、なかなか自分の梅サワーのふた口目にいけない。



唯くんがまたジョッキをゴトッ！と置いて、手をあげた。




「すいません、あー…芋焼酎の水割り」


「あいよー！」






す、すごい…

これがオトナ唯くん…






「唯くん、いつもそんなペースで飲んでるの…？」


「…なんか問題ある？」


「え、や、問題はないけど…大丈夫…？」


「うん」



唯くん、凄いなぁ。お酒強いんだ。

もし私がそんな飲み方したらもうヘロッヘロのぐでんぐでんになってるよ。



「芋の水割りお待たせしましたー！」



渡されたグラスをグイッと飲む唯くんを見ながら、わたしもようやく梅サワーを飲み始める。




…っくぁ〜。お酒、美味しいなぁ。

私ははやくも酔いが回ってきて身体が少し火照ってくる。

緊張して強張っていた体が、すこしリラックスしてフニャッとなる。



よぉーし…

お酒のおかげで、なんだか普通に話せる気がしてきたぞぉ…！