「優花ー。これで全部ー?」
みね君が私の家の玄関から、部屋の中にいる私に声をかける。
「うんー!」
駅から徒歩10分、家賃6万3千円の1K。
ここが私の今の住み家。
お世辞にも広いとは言えないこの部屋、大きな備品の存在は結構うっとうしかったから、無くなってくれるのはちょっと嬉しい。
車に備品を積み終えたらしいみね君が一息ついて部屋に上がった。
「…さて」
そしてにっこりと微笑む。
「二人きりだね。」
「んだねー。」
私は自分の荷物を片付けながら棒読みで相槌を打つ。
「おうちに2人きり。やることと言えば?」
「あ、お茶飲む?」
「うん。飲む。お茶飲んだあとは?」
みね君がニコニコ近寄ってくる。
「帰る。」
「ん-ん、違うよ。」
みね君が作業する私の手を取って、自分の口元に寄せる。
「俺たち男女だから、することをするんだよ。」
みね君が私の目をまっすぐ見つめる。
「………嫌だよ。」
それに対して私もまっすぐな目を返す。
「どうして?気持ちいいよ?」
「みね君はお友達だからそういうことしない。」
「でも、押し倒しちゃうかもよ。」
熱っぽい目をしたみね君が距離を詰めて、私はベッドの方に追いやられる。



