みね君はバッシュの紐を結ぶ手を止めて、私の顔をじっと見上げている。



「…もしかして?」


「うん!美琴起きた!!」



私がニカッと笑ってピースすると、みね君が立ち上がって「おおー!!」と歓喜する。



「やったじゃん!!会ってきたの?」


「うん!もう元気そうだった!こんな感じで腕ブンブンまわしちゃって!」


私が腕をぐるぐるまわして美琴のまねをすると、

みね君が目は線に、ぽってり唇は横に伸ばしたいつもの笑顔でアッハ!と笑う。


「っはー!ほんとよかったな!まぁみこっさんは殺しても死ななそうだなと思ってたけど」

「うーん…否めない」

「覚えてる?優花が入院してたとこに俺が押しかけたとき、病室出るとこでみこっさんに出くわしたの。」

「あはは、うんうん。」


みね君が言ってるのは、私が学校の階段から落ちてしばらく入院した時の話。