唯くん、大丈夫?

振り向くと、病室の角で壁と一体化して小さくなる、美琴の最愛のおじさん。




「…あ…はは。一昨日ぶりだね。」


おじさんが申し訳なさそうに手をあげた。




「わわ、ごめんなさい!全然気が付かなかった!!」


私は慌てて立ち上がる。


「いやいや、こっちこそ驚かせちゃってごめん。邪魔しちゃ悪いかなと思って気配を消してたら、本当に気づかないから出るタイミングを失っちゃった。はは。」


そう言って屈託なく笑うおじさんは相変わらずとっても優しくて、笑顔が可愛い。

そして一昨日会った時より随分顔色がいい。


「おじさん、美琴起きてよかったねぇ〜」

「本当だねぇ〜」

おじさんと2人ヘラヘラしてると美琴が頬を膨らませた。

「ねぇ優花、そのおじさんって言うの本当にやめて。5年も言い続けてるよ私。」

「あ、ごめんごめん。なんか定着しちゃって。なんて呼ぼう?」

「あー、純くんでいいよ。唯くんもそう呼んでるし。」


おじさんが悪気なく言って、私がそのワードに一瞬ドキッとする。


「…分かった!純くんって呼ぶね〜」


美琴はそんな私を真っ直ぐな眼差しで見る。






「………唯、少し前までいたよ。」





「えっ」





「ここにいた。」









唯くんが



ここに…








「元気そうだった。」


「…そっ、か。」




唯くん、元気にしてるんだ。

…よかった。

うん。

よかった。