「…優花。」




頭に包帯を巻いたショートボブの美琴が、私の大好きな笑顔で微笑んでる。




「…っ」





事故に遭ってから3日間、目を覚まさなかった美琴が私を見て笑ってる。





「ッ美琴…!」




ダバァー!!と涙の滝を流しながら美琴に近づいていくと、美琴が呆れながら笑う。



「あはは、泣きすぎでしょ優花」


「もぉ〜!誰のせいだと思ってるの!?」


「フフ。心配かけてごめんね」


「ホントだよ!えっと…身体、大丈夫?どんな感じ?」


「触ったら痛いけど、普通にしてる分には全然。」


美琴が腕をブンブン回す。


「え?それだけ?車に轢かれて、3日間生死をさまよってたんだよね…?」


「うん。驚異的な回復力だって褒められちゃった。」


フニャッと笑う美琴に、得体の知れない恐怖を感じた。



「何はともあれよかったよぉ…もう会えないかと思ったよ…」



また涙腺が緩む私に、美琴がよしよし、と頭を撫でてくれる。

はぁ…これこれ。マイマザー。マイラブ。本当によかった。



「…そうだ、美琴が寝てる時におじさんが連絡くれたんだけど、その時すっごくしんどそうだったよ。食べ物も喉を通らなかったみたいで…今、おじさんは?」


「いるよ、そこに。」


美琴が私の後ろに視線をよこす。


「え!?」