「お先失礼しまーす!」
私はウェイトレスの制服を脱いで、カバンに突っ込みながら笑顔でパートさん達に声をかける。
「あっ優花ちゃん!ちょっとお茶してかないー?」
「あーん、したいけど今日は急いでるんです!また今度ー!」
「あらー、残念。またね~」
「はーい!お疲れ様でーす!」
仲良しのパートのおばさま方に挨拶をして、私はバイト先であるファミレスを後にした。
歩いてすぐの駅に到着すると、ちょうど来た電車に乗ってドア横にもたれかかる。
電車が発車のベルを鳴らしてドアをゆっくりと閉めていく。
そして、ガタン!ともう一度開いた。
「…あっぶねー!あはは!間一髪ー!」
隣の車両から、高校生の男の子たちの楽しそうな声。
『駆け込み乗車はご遠慮ください…』とアナウンスが聞こえて、
私の胸が久し振りにドクン、と高鳴った。
『好きです。付き合ってください。』
あの時の唯くんの真っ直ぐな目を、
5年経った今でも鮮明に思い出す。
大学4年生の22歳、羽根村 優花。
大学卒業間近で、もう社会人になるっていうのに
思い出の中で高校生に今、ときめいてしまいました。
すみません。