私は咲優から大急ぎでスマホを奪い取って内容をチェックする。


15分ほど前の着信のあと、メッセージが二通。






『起きたよ』

『ご心配おかけしました』










「………っ」










私は顔を押さえて、ぶわっとあふれ出る感情を両手に吐き出した。





「…良かったね。」

泣きじゃくる私に咲優がそう言って頭にポンとタオルを置き、部屋を出ていく。





あぁ…っ、よかった……よかった!




私は大粒の涙はそのままに、出来る限りの速さでスマホをタップして『美琴のバカ!愛してる!』と入力して、ぷんすか怒るウサギのスタンプを添えて送信した。



私は咲優がくれたタオルで顔を拭く。


時計を見ると、9時15分。


とりあえずバイト行かなくちゃ。終わった後そのまま美琴んとこ行こう。



私はもうかれこれ6年ぐらいは歪んだままの眼鏡をかけて勢いよく起き上がった。