「…なに」 私は咄嗟に階段を上がって唯くんの手を掴んでいた。 「あ……えっと…」 唯くんは振り向く気配はなく、私の手を握り返すこともしない。 「あのね、えっと…わた、私ね、」 どうしよう 言葉が出てこない でも離したくない 今、この手を離したらもう、なにもかも終わっちゃう気がした。 「…えっと……」 「ごめん」 いつまでたっても内容のあることを言い出せない私に唯くんが小さく言った。