みね君は乾いた笑いをこぼして、唯くんを見た。


「…へぇ。君が噂の唯くんかー。」


目を逸らさないままによっこらせ、と立ち上がる。


「……あぁ?」


唯くんが瞳孔の開いた目でみね君を睨む。


「えー、すっげー。はは。本当にイケメンじゃん。芸能人でもこんな整ったやついないんじゃねーの?」


唯くんを上から下まで眺めてヘラヘラ笑うみね君は明らかに変だ。





「……けど」



みね君が煽るような目をする。





「随分と器のちっちゃそうな男だね。」




「……は?」



唯くんがヒクッとこめかみを引き攣らせる。






「え…み、みね君……?」




超がつく平和主義者のみね君からは考えられない言葉に、私の頭が真っ白になる。


「ごめんね。彼女との大事なデート邪魔しちゃって。優花もこないだ大好きな唯くんと久しぶりにデート行くんだってすっごく楽しみにしてたよ。」


ヘラヘラ笑うみね君に、唯くんが怪訝な顔をする。


「は?なんなのお前?それを分かってて優花を呼んだわけ?」


「そうだよ。」