次の瞬間、


みね君が地面にドシャッと投げ出された。




「…っ、みね君!」



「優花」



「!」




今しがたみね君を思い切り投げ飛ばした唯くんが私の手首を掴んで、

『例の目』で私を捉えた。





「…ゆい、く…」

「何してんだよ」



唯くんが掴んだ手に力を込める。



「…ッ、」

「ここで何してんだって聞いてんだよ…!」


唯くんのあまりの迫力に、私は声が出せない。


「友達って、男?聞いてないけど。俺とのデート途中で放り出して他の男に会いにきたってこと?ずっと俺のこと騙してたの…?」

「ち、ちがう…っ」

「何が違うんだよ!」


唯くんの声音に、背筋が凍る。




いつも私を助けるために別の誰かに向けられていた冷たい目が、

今、私に向けられている。




手の力はさらに強くなっていって、

ギリギリと私の手首を痛めつけていく。



「…ッ、い…」






その時、




「ねー」




そこに倒れていたみね君が、気の抜けた声を出した。




「超いてーんだけど」