「友達から返事来たの?」

「うん……」




さっきのメッセージはきっと

みね君からのSOSだ







どうしよう…




「…唯くん…えっと…」


「うん…いいよ。」


「え」


「友達。心配なんだろ。」


「!」


唯くんが優しく口角をあげる。


「俺たちはもういつでも会えるし。その友達どこにいんの?」


「…多分、西大の近く…」


「こっからひと駅か…うん。行ってきな。気をつけて。」



「…ごめん唯くんッ、ありがとう!埋め合わせは必ず!」



私は慌てて鞄を手に立ち上がる。



「待って」



立ち上がった唯くんが手を引いて、私を腕の中に閉じ込めた。





「………充電」





切ない声を出した唯くんが、きゅ…と腕に力をこめた。




「…」





私の胸に言い知れない罪悪感が募る。



…今度、絶対

日を改めてみね君のことちゃんと言おう。

唯くんならきっと分かってくれる。

私を信じてくれる。

だってもう私たちは以前の私たちじゃない。

この一年でたくさんの苦楽を共にしてきた。

ちょっとやそっとのことで崩れる関係じゃないよね。

…まぁ、ちょっと怒るかもしれないけど…。






私は唯くんをぎゅっと抱きしめ返した。


「唯くん…大好きだよ」


「…ん。俺も。」




しばらくして唯くんは腕の力を緩めて、おでこにキスを落とした。



「…いってらっしゃい」


「…うん!行ってきます!」



じんわりと唯くんの愛を感じながら、その手を離して走り出した。