てらちんは唯くんの隣の席の椅子を動かして座り、唯くんの机に肘をついた。


そして唯くんの顔を覗き込んで大人っぽい笑みを浮かべる。



「あんまり遅いようなら、俺が車で羽根村を連れ帰ってもいいんだぞ。」

「!」



え?なんでそんな話が出てくる?



「なぁ羽根村。俺の車、快適だぞ。乗ってみるか?助手席」


「へ?いいの?」


「ダメ」


そう言ったのは唯くん。


「え、ダメなの?」


「ダメ。絶対ダメ。待ってて。」


「うん…?わかった」




てらちんは私と唯くんのやりとりを見てなぜかクツクツと笑ってて、

唯くんはまた舌打ちをもらしてから原稿用紙と睨めっこを始めた。