ヘラヘラする私を唯くんがじ…と睨み、突然低い声を出した。


「つーかお前…ふざけんな」

「え?なにが?」

「なんでメイド着てんだよ」

「えっ?なんでって、青木さんに推薦してもらったから…?」


唯くんが溜息混じりにボヤく。


「なんで去年みたいに攻撃力弱いやつじゃないの?…油断した」


そう言って唯くんは長い足の間に顔を俯かせる。



…攻撃力?なんのこっちゃ?

ちなみに去年はチェックエプロンをつけただけの幼稚園の先生。



私は項垂れる唯くんのつむじを見ながら、自分のメイド服のヒラヒラを触る。



「…そんなに似合わない…?」



唯くんに褒めてもらえるかなって期待しちゃってたから

ちょっと悲しい




「…似合うから言ってんだよ、アホ」