「大丈夫。今夜ぐらいサボっても、ちゃんと受かるよ」

「…なんの根拠があって言ってんの」

「なんでだろうなぁ。唯が落ちるところは想像つかないんだよな」

「…」



こんないい加減な人なのに、なんで心強く感じてしまうんだろう。



「受かったら優花ちゃんと3人でシよーね」


クソ変態ピアスが垂れ目をさらに下げた可愛い笑顔でセクハラしてくる。


「ふざけんな」

「案外ハマっちゃうかもよ」

「…山か海、どっちにする?」

「おぉ。意外な趣味。でも俺インドア派だからなー」

「土ん中あったかいかもよ」

「あっ、俺を埋める場所の話?」



俺は歩くんの置いた電子タバコを口に咥えてみる。



「……ゲホッ、ケホッ」

「あらら、大丈夫か?」



はじめてのそれは、

確かに甘かったけどそんなに美味しくなくて、




「ゲホッ、」




ーーー唯くん、大丈夫?




「!」




俺を心配する優花の声が聞こえた気がした。







「…………会いてぇ」







俺の充電は、完全に切れたらしい。