唯くん、大丈夫?

私が心のデータフォルダに厳重にロックをかけて保存していると、

唯くんが私の手をキュッと握って甘い視線をよこした。



「…ねぇ」





唯くんの『ねぇ』にどうしようもなくときめいてしまうのは、なんでなのでしょう。




「…はい」



「いつになったら消毒してくれんの」


「…えっ」



消毒?


もしかして、倒れた拍子にどこかケガしちゃってた!?


「どこ?痛い?」


私が慌ててケガを探し始めると「ちがう」と私の手を咎めた。



そして自分の唇をトントン、と指さす。













消毒って、

ユリアちゃんにキスされたからってこと…?






「唇にアルコール除菌はやめた方が…?」


「…」



というか意味ある?と首を傾げる私に、唯くんがため息をついた。



「…そうじゃない」



そう言って私をパイプ椅子ごと自分に近づけた。


「うぇっ、へ!?」



その距離、10センチ。



「…っ」




思わず


息を止めた。




唯くんは私の頬に手を添えて、

親指でゆっくりと唇をなぞる。







「上書きしてよ」






「…なん……?」







なんですと…?