唯くん、大丈夫?

「……叩いちゃって、ごめんね」


「それはいい」


唯くんは視線を逸らした。


「…俺もひどいこと言った。ごめん。他の男と仲良くしていいなんて、嘘。
…敢えて怒らせたかった。」


「え?」


ほんの少し眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔をした唯くんは、手を伸ばして私の頬をつまんで引っ張る。


「い!?」


「…彼氏がよその女にキスされて嫉妬しない女って、おかしいだろ」


「…は、はぃ」


「だから怒らせて、優花の本音を聞きたかった。…つーか俺が言ったこと、もう忘れた?」


「へ」


「全部見せてって言った。」


「…う……」





…確かに、


言ってた。





「怒っていいし、泣いていい。素直に嫉妬してほしい。嘘つかれるのは、ムカつく。」


「ふ…ふいはへん…」


「今度やったら…お仕置き。」


「…へ!?」



お、お仕置き…!?


お仕置きって、お仕置きってどんな!?



少女漫画読みすぎの私はいろんな妄想がよぎって顔が赤くなっていってしまう。





「…なに想像してんの」


唯くんは私の頬を引っ張るのをやめて、今度は片手で頬を挟んでぷちゅっと潰し、意地悪な笑みを浮かべた。





「お仕置きして欲しい?」






ドスッ。


あ、射抜かれました。







「大丈夫です!大丈夫です!ありがとうございます!」


「…なんのお礼?」