…ダメだ
このままきっと朝まで寝てしまう
風呂も入ってないし
疲れすぎて食欲全然ないけど
昨日も夕飯食い損ねたからちゃんと食べないとまた母さんが心配する
スマホの充電終わったら起きて下に飯食いに行こう
なんとか立ち上がって、ひとまず部屋着に着替えて鞄の中身を整理していると、今日貰ってきた封筒が目についた。
中身は5000円札、1枚。
現金支給なのは単発バイトでその日にもらう申請をしたから。
引き出しの中に、中身の同じ封筒が7枚ある。
「っしゃー……」
目標、達成。
引き出しに8枚目をそっと入れて、達成感に浸る。
…と、同時に
引き出しの中に見つけた、優花の丸い文字。
「……唯くん、ラブ」
そのメッセージカードを取り出して、フッと笑いがもれる。
なんてバカっぽいメッセージなんだろうって思うのに
胸がぎゅうぎゅう締め付けられて、息が詰まりそうになる。
ベッドにもたれて、ピンク色の文字を親指で撫でながら、
最後に見た優花の泣きながら怒る顔を思い出した。
…優花には悪いけど
あれ、最高にかわいかった。