「というかあの人、すごい集中力ですよね。
私がいてもいなくてもずーっと教科書にかじりついて…あれ多分テスト範囲、全部丸暗記してましたよ。」


「あ、それ唯の本気モードだ。」

オレンジジュースを飲み干した美琴が何でもない感じで言う。


「本気モード?」


「うん。小学校の時、テストで100点取ったら唯が欲しいラジコン買ってもらえることになって、本気モードで勉強してラジコンゲットしてた。
その時の唯、朝から晩までご飯食べるのも忘れるぐらい集中してて…殴らないと気付かないぐらいだったよ。」


「あー、だから私がくっついても反応しなかったんですね。あ、ごめんなさい、ちょっと鼻血」


興奮が極まったらしいユリアちゃんがそそくさとティッシュを鼻に詰めた。