「え…えぇ！？」
「…だってッ！」
ユリアちゃんの目からぼろっと涙があふれ出る。
「みこ様を弄んだ人が堂々と彼女と幸せにしてるなんて……許せなかったんです！」
ユリアちゃんは涙をぬぐうこともせずぼろぼろとスカートの上にこぼしている。
「初めはどんなやつか見てやるぐらいの気持ちで…遠目から様子を伺ってました。
でも見れば見るほど、2人が幸せそうで…
みこ様の気持ちを考えたらいてもたってもいられなかったんです…」
「…」
今まで何を考えてるかわからなかった"紫藤ユリア"の姿が、ようやく見えた気がした。
ボロボロ涙をこぼし続けるユリアちゃんに、私は何も言えなくて、ユリアちゃんの綺麗な涙が落ちていくのをただ眺めていた。
