えりかside


私は杉谷えりか。
あるきっかけにより、小学生から人前で感情を出すことができない。

感情を出せないので中学や高校でもいじめの標的になった。笑いも、泣きもしない私はまわりから気味悪がられた。

学校の先生たちも、微笑みもしない愛想のない生徒には見向きもしなかった。誰も救ってくれなかった。

生きている価値があるのか毎日考えながら生きていた。

毎日寝る前、このまま眠るように死ねたら、、
そう考えていた。

その日の体育は持久走だった。
小学生の時は陸上クラブだったので、持久走は得意な方だ。今日は2km走る。
普段は1kmの時点でもほとんど息切れしていないのに、その日は500メートルで苦しくて、息ができなかった。
でも、走ることしか取り柄がない私は最後まで走ろうと思い、フラフラの中走り続けた。
1.5kmまで来て残り500mまで走った時、突然視界が揺らいだ。次の瞬間、私の体は地面に叩きつけられた。何が起こったか分からなかったが、みんなが集まってきて、自分が倒れたことに気がついた。

先生が何か言っている。何を言ってるんだろう…
このまま私、死ねるのかな…
私の意識はそこで途切れた。